フィルターの流量と水換えの量
フィルター選びも水換えも、基準になるのは表記容量ではなく実水量です。 さらにカタログに載っている流量は揚程0mでの数値なので、そのまま信じると能力不足になります。 冬の水換えで水温を合わせるためのお湯の量もあわせて計算します。
カタログの流量をそのまま信じてはいけない
フィルターのカタログに載っている流量は、揚程0m・ろ材なしの条件で測った最大値です。実際の設置では配管を持ち上げ、ろ材が水流を妨げるため、この数値は出ません。
どれだけ落ちるかは製品と設置状況によりますが、2割前後の低下を見込むのが安全です。さらにろ材が目詰まりしてくると流量は落ち続けます。掃除の直前が最も苦しい状態なので、そこを基準に選ぶべきです。
このページでは必要流量に2割の余裕を上乗せした数値を推奨しています。「足りない」は後から取り返せませんが、「多すぎる」は水流を弱めれば対処できます。
水換えの量は実水量で決める
「3分の1を換える」という目安は広く使われていますが、その分母を表記容量にすると換えすぎになります。60cm水槽の表記は約65リットルですが、底床を敷いた実水量は50リットル前後です。65リットルの3分の1のつもりで22リットル抜くと、実際には水量の4割を超えて換えていることになります。
水換えの目的は水質の維持であって、リセットではありません。一度に大量に換えると水質が急変し、生体に負担がかかります。分母を間違えているだけで、意図せず負担をかけている例は少なくありません。
冬の水換えで水温を合わせる
水換えで見落とされやすいのが水温です。冬の水道水は地域によっては5℃前後まで下がります。25℃の水槽に10℃の水を3分の1入れれば、水温は一気に数℃下がります。
この温度変化は生体にとって大きな負担で、白点病の引き金になることもあります。ヒーターは入れた水を温め直しますが、下がる速さに追いつきません。入れる前に温度を合わせるのが正しい手順です。
上の計算では、給湯器のお湯と水道水を何リットルずつ混ぜれば目標の水温になるかを出しています。バケツに直接お湯を足す方法で、道具は要りません。ただし給湯器のお湯にもカルキは含まれるので、カルキ抜きは全量に対して必要です。
フィルターの能力と水換えの頻度はつながっている
ろ過が十分に効いていれば、水はゆっくりとしか汚れません。逆に能力が足りないと汚れが早く蓄積し、水換えの頻度を上げて補うことになります。
つまりフィルター選びを妥協すると、その分だけ毎週の手間が増え続けます。初期費用の差は数千円ですが、水換えの手間は何年も続きます。ここは余裕を持たせたほうが、長い目で見て楽になります。
逆に言えば、水換えの頻度が高くて負担に感じている場合、原因はろ過能力の不足かもしれません。流量が足りているかを確認する価値があります。
サイズ別の実水量
流量も水換え量も、基準になるのは実水量です。各サイズの詳しい内訳は個別のページにまとめてあります。