水槽の水量は、表記より2割少ない
カタログのサイズは外寸です。そこからガラス厚と水位を引き、さらに底床とレイアウト材が水を押しのけます。 自分の水槽のサイズを選ぶと、中身に合わせた実水量とヒーターの容量が出ます。
内訳
サイズ別のページ
各サイズの解説とヒーターの目安は、それぞれのページにまとめてあります。
約 9.7 L30cmキューブ水槽
約 21.2 L36cm規格水槽
約 15.6 L45cm規格水槽
約 25.5 L45cmワイド水槽
約 31.4 L60cm規格水槽
約 52.4 L60cmハイタイプ水槽
約 59.2 L60cmワイド水槽
約 100.4 L90cm規格水槽
約 149.4 L120cm規格水槽
約 196.4 L
サイズ別の一覧
底床はソイル5cm前後を敷いた場合。ヒーターは室温との差11℃・フタありの目安です。
| 水槽 | 外寸から | 底床なし | 底床あり | ヒーター |
|---|---|---|---|---|
| 30cm規格水槽 30×18×24cm | 13.0 | 10.6 | 9.7 | 50 W |
| 30cmキューブ水槽 30×30×30cm | 27.0 | 23.1 | 21.2 | 100 W |
| 36cm規格水槽 36×22×26cm | 20.6 | 17.3 | 15.6 | 100 W |
| 45cm規格水槽 45×24×30cm | 32.4 | 27.8 | 25.5 | 100 W |
| 45cmワイド水槽 45×30×30cm | 40.5 | 35.1 | 31.4 | 100 W |
| 60cm規格水槽 60×30×36cm | 64.8 | 57.3 | 52.4 | 150 W |
| 60cmハイタイプ水槽 60×30×40cm | 72.0 | 64.2 | 59.2 | 150 W |
| 60cmワイド水槽 60×45×45cm | 121.5 | 107.9 | 100.4 | 300 W |
| 90cm規格水槽 90×45×45cm | 182.2 | 163.0 | 149.4 | 300 W |
| 120cm規格水槽 120×45×45cm | 243.0 | 214.3 | 196.4 | 500 W |
表記容量と実水量がずれる5つの理由
水槽のカタログに書かれたサイズをそのまま掛けた数字は、実際に入る水の量とかなり違います。ずれを生む要因は5つあり、向きも大きさも違います。
1. ガラス厚(表記は外寸)
サイズ表記は外寸です。水が入るのは内側だけなので、幅と奥行から左右2枚分、高さから底面1枚分のガラス厚が引かれます。5mmガラスなら幅と奥行が1cmずつ、高さが0.5cm小さくなります。
2. 上端の余裕
縁いっぱいまで水を入れる人はいません。フィルターの排水で水面が揺れますし、生体が飛び出します。一般には上端から2〜3cm下が水位です。ここまで引いた数字が、よく目にする「◯◯cm水槽=約◯L」の正体です。
3. 底床の空隙率 — ここを間違えているサイトが多い
底床の見かけの体積を、そのまま水量から引くのは間違いです。ソイルも砂利も粒の集まりなので、粒と粒の隙間には水が入ります。実際に水を押しのけるのは、見かけの体積のうち粒そのものが占める分だけです。
粒の隙間が占める割合を空隙率と呼びます。ソイルはおおむね4割前後、砂利で3割半ばです。つまり見かけの体積のうち、水を押しのけるのは6割程度で、残りは底床の中に水として存在します。見かけの体積をそのまま引くと、水量を数リットル少なく見積もることになります。
この差は無視できません。水換え量も液体肥料もカルキ抜きも実水量を基準に決めるため、誤差はそのまま添加量の誤差になります。
4. レイアウト材の体積
石や流木は体積の分だけ水を押しのけます。ただし自分の石が何リットルか答えられる人はいないので、このページでは重量から比重で逆算しています。溶岩石のような多孔質のものは見た目の割に軽く、押しのける水も少なくなります。正確に知りたい場合は、水を張ったバケツに沈めて増えた水位から測るのが確実です。
5. 外部フィルターと配管(唯一の増加要因)
ここまでは減る話ばかりですが、外部フィルターを使っている場合はろ材コンテナとホースの中にも水があり、システム全体の水量は増えます。薬浴や添加剤の計算では、この分を含めた総水量で考える必要があります。
ヒーターの容量はフタの有無で倍近く変わる
水槽から熱が逃げる経路は、ガラス面からの伝導と、水面からの蒸発の2つです。このうち蒸発による熱の損失が支配的で、水が気体になるときに大量の熱を奪っていきます。
そのためフタをするかどうかで必要な出力が大きく変わります。同じ水槽でも、フタなしの開放水槽ではフタありの1.5倍から2倍近い出力が必要になります。冬にヒーターが効かないという相談の多くは、容量不足ではなく開放水面が原因です。
このページでは、ガラス面と水面それぞれの熱の逃げやすさを分けて計算し、連続運転で必要な出力に5割の余裕を足したうえで、市販されている容量に切り上げています。ヒーターは常時つけっぱなしではなくサーモスタットで断続運転するため、この余裕がないと冷え込んだ日に設定温度まで上がりません。
実水量が分かると何が決まるか
- ヒーターのワット数|必要な出力は水量と温度差から決まります。表記容量で選ぶと能力不足になりがちです。
- フィルターの流量|1時間あたり何回転させるかで選びます。その分母が実水量です。
- 水換え量|「3分の1」を表記容量で計算すると、実際には半分近く換えていることがあります。
- 添加剤・カルキ抜き|規定量はすべて水量あたりです。過剰添加の多くはここが原因です。
- 薬浴の濃度|濃度がそのまま生体に効くため、誤差が最も危険な用途です。
この計算の精度について
空隙率と比重、そして熱の逃げやすさを表す係数は、素材や設置環境によって幅があります。このページでは代表的な概算値を使っており、空隙率と体積はどちらも直接入力できるようにしてあります。最も確実なのは、実際に注水した量を記録しておくことです。